この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
友人(A)と,それぞれが株主,取締役となって株式会社(B社)を立ち上げ,事業を行っていたが,最近になって,その友人Aが,同じ業務を行う株式会社(C社)を別途設立して,B社の取引先と,C社で取引しているようである。C社に取られた売り上げを取り返せないか。
解決への流れ
A側も弁護士を選任したため,弁護士間での話し合いを行った。その中で,Aからは,競業を行うことについてはB社の許可を取っているため,違法性はないとの主張があり,話合いは決裂し,訴訟を提起することになった。裁判では,競業についての事前合意の存在については,裁判所は,当方の主張どおり,認められないとの考えを持ったが,一部,C社の競業取引の存在を証明できなかった取引があったこと,判決にすると,AやCに対して強制執行を行って判決で認められた金銭を回収する必要があるが,回収できるかが相当不確実であったこと,金銭の支払いだけでなく,依頼者とAとの関係も調整・清算することが望ましいと考えられたことなどから(これは判決ではできない),訴訟上の和解による解決を図ることとなった。和解金額はそれほど高いものとはならなかったが,一定額の金銭の支払いを受け,また,依頼者とA(B社とC社)との関係の清算も行い,最終的には,円満に和解が成立した。
友人同士の会社経営であっても,金銭が関係する以上,信頼関係を維持しながら,互いの行動の監督を十分に行うことができる体制にしておくことが,本件のような事態を防ぐうえでは,重要であるといえます。訴訟については,本件では,十分に証拠を収集することができず,競業取引の存在を証明することができない取引が存在しましたが,証拠の収集は,時間が経過すればするほど,しにくくなります。また,本件では,競業の存在に気付いていてから法律相談までに時間がかかっており,損害が拡大した面もありますので,本件のような事例に限らず,早期に弁護士への法律相談を行う必要性があるといえます。