この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
◆事案概要相談者は、ソフトウェアの作成を委託されたものの、委託者の要望が繰り返し変更され、納期が大幅に遅延しました。さらに、納品後も追加の要望が相次ぎ、対応しきれなくなったためこれを拒否したところ、委託者から370万円の損害賠償を請求される事態に至りました。◆課題この事案において次の3点が課題になりました。①納期遅延の責任が委託者にあることをどのように主張するか。②契約に基づく納品が完了していることを立証し、損害賠償請求額を減額する方法。③相談者が一定の返還に応じたいという意向を踏まえつつ、最終的な解決を目指す。
解決への流れ
◆対応当事務所では、以下の対応を行いました:①契約内容と経緯の確認委託者からの要望変更が納期遅延の主因であることを契約書やメールのやり取りを基に立証。これにより、遅延責任が相談者にないことを主張しました。②契約内容の履行を主張ソフトウェア作成が契約に基づき完了していることを明確に示し、委託者の損害賠償請求の根拠が薄弱であることを指摘しました。③交渉による減額委託者との交渉を通じて、損害賠償額を約300万円減額し、最終的に55万円の支払いで合意に至りました。この解決は、相談者の「一定の責任を感じており、受け取った頭金相当分の返還には応じたい」という意向を踏まえたものです。(弁護士としては、賠償金全額を拒否した上での、委託代金の支払請求を行うも提案しましたが相談者の意向を優先いたしました。)◆結果相談者は損害賠償請求額を大幅に減額することができ、紛争を迅速に解決しました。当事務所では、さらに未払いの委託報酬を請求する訴訟移行の可能性も検討しましたが、相談者の意向を尊重し、円満解決に至りました。
◆解決のポイントソフトウェア作成委託契約では、トラブルの原因となるポイントが多いため、事前の契約内容の明確化が重要です。本事案では、契約書や記録を活用して責任の所在を明確化し、交渉によって実質的な負担を軽減することができました。◆弁護士からのアドバイスソフトウェア開発におけるトラブルを防ぐには、以下の点を検討することをお勧めします:・契約段階の明確化:要件定義、外部設計、内部設計など、段階ごとに契約を分ける。・成果物の段階的完成:工程ごとに成果物を確認し、コストや責任を明確にする。・リスク分散:得意分野に集中し、他の工程を外部委託する戦略も検討する。これにより、契約時点での認識のズレを防ぎ、トラブルの発生を最小限に抑えることができます。