この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
会社としては,業務上の労災事故とは認めていないが,労働者が労基署に労災申請を進めて,その結果,労災保険金給付が行われてしまった,その後,労働者の代理人弁護士から安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求の内容証明郵便が届いたというご相談です。事故現場を目撃した者がおらず,不自然な事故態様,不自然な診断内容であったため,会社としては,業務上の労災事故とは認めることはできませんでした。
解決への流れ
労働者の代理人弁護士からの内容証明郵便に対して,反論する内容の書面を送付するとともに,事故の経緯や診断内容に不自然な点があったことから,労基署に提出された書類や診療記録の開示を求めることになりました。未だ裁判になっていない状況でしたが,裁判が始まれば,診療記録等の開示を求めた上で,事故内容,診断内容,損害と事故との因果関係などを調査,検討することになりますので,示談交渉の時点で,これらの資料を求めただけなのですが,こちらからの書面送付後に相手方代理人弁護士から代理人を辞任するとの通知が来ました。辞任理由は特に記載されておらず,新しい弁護士が就任するとの通知もありませんでした。
労働事件に限りませんが,事件の中には,この事例のように,反論の書面を送ると,相手方の請求が単に止まってしまう事件もあります。白か黒かの判断を求める裁判をすることだけが,弁護士の仕事ではないということを感じる事件でした。