犯罪・刑事事件の解決事例

飲食店舗の倒産。自分ではリスケをすれば立ち直れると思っていましたが、多店舗展開しすぎて、管理ができていませんでした。破産費用が捻出できず一時は断念。(会社破産のケース)【事務所法人案件】

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小澤 和彦 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所練馬事務所
所在地東京都 練馬区

この事例の依頼主

男性

相談前の状況

もともとは、エステ系の会社を経営していました。エステ系の3店舗をやったら、どこもそれなりにうまくいったので、さらにエステを拡大するという選択肢もあったのですが、そうではなくて、違う業態をやってみたくなりました。そこで、私は、知り合いで居酒屋の厨房を任されていた男がそれまでの店を辞めるという事を聞いていたので、そいつにやらせてみようと思い、居酒屋と焼き肉屋を融合させた感じの店をやることにしました。こちらも当初は、うまく行きました。場所もいいところで居抜き物件が格安で出ていたのを譲り受けて、初期費用をあまりかけずにできたのが大きいと思います。そして、それに味を占めた私は、ちょうど、オリンピックも開催されるという事で、それを目標に、大画面を導入した、皆で、その時々のスポーツ観戦しながら盛り上がれるカフェバーと言うのを考えました。こちらは、設備やら内装やらでかなり大型の借り入れをすることになりましたが、かけた分だけ他店にはないド迫力の店舗が作れると思い、思い切って借り入れ及び発注をしました。ところが、どうも設計を頼んでいた業者がポンコツで、店ができてからも、換気が上手くいかない、水が漏る、床がべこべこになるで、しかも、そいつはとぼけて、全然、修繕に対応せず、かといって、放っておくわけにもいかないので、結局、また借り入れで修繕費が嵩んでしまいました。そういうバタバタがあったせいで、お店も全く客足が伸びません。大画面がむなしく感じるぐらいに、客がおらず店の中が閑散としておりました。それでも、他の居酒屋やエステの利益があるので、それを回しながら固定費を支払いつつ、赤字をしのいで来ました。しかし、理由は全く分からないのですが、エステの方もピタッと新規の予約がなくなってしまいました。そこで、ホットペッパーだけでは広告が足りていないのだと思い、広告業者に、ホームページから予約システムまで一貫して、発注し、広告媒体も多種類に増やしました。しかし、もちろん、予約が来るには来ますが、到底、広告費には及びません。かといって、広告を切ると、一切、予約どころか問い合わせも来なくなりました。完全にパニックになってしまい、理美容コンサルを依頼して、コンサル料は高かったのですが、何が悪いのかを見てもらうことにしました。そうしましたところ、この数年で、近隣に競業店舗が約3倍ぐらいまで増えていること、値段が高いこと、その割にスタッフがさほど高いレベルではないこと、等々を指摘され、そこで、思い切って値段を下げるか、高度なスタッフ教育をして、設備も一新するかを提案されました。しかし、今更、スタッフ教育と言われても、そんなお金もかけられないし、仮に、教育したとしても今後も店舗のために働いてくれるかの保証もないので、私は、値段は少しだけ下げて、設備も全部ではなく一部だけ最新式のものを導入するという第三の選択肢を選びました。そのため、また、借り入れを起こしました。そして、結果は、最初だけ少し反響がありましたが、その後は、やはり、以前の状態のようになってしまい、要するに、新規顧客が取れなくなってしまいました。唯一、焼肉居酒屋だけがとんとんなのですが、トータルでは、完全な赤字で、支払いもできなくなってしまいました。そこで、以前から、友人がたまに店に連れてくる弁護士さんに恥を忍んで相談することにしました。ただ、冒頭言いました。「今、手持現金はないです。」と。

解決への流れ

弁護士さんに相談したところによれば、結局、その焼肉居酒屋だけでもトントンなら、その店舗を事情譲渡して、その代金で破産費用を確保して、他の店を閉じる、要するに、破産するしかないような気がすると言われました。破産管財人があとは、その大画面テレビ付きの店舗として売るとか、エステ機材も含めて売るとかはあるかもしれないけれども、売れるかどうかは分からないし、売りずらい、と。それよりかは破産費用を捻出という意味だけで考えれば、焼肉居酒屋店舗の売却が一番、現実味がある、ということでした。ただ、売るにしても、どこに頼めば買ってくれるかも分からない、と話したところ、そういう専門業者が知り合いでいるから、そこに仲介を頼んで、一番高い値をつけてくれる業者に売ればよいのではないか、と言われました。弁護士さんは、そういう事もするんだなあ、と初めて知りました。そして、事業譲渡というのは、後々破産する場合に、その値段が適正な値段であったのか、が問題にされるから、必ず、一定期間で複数業者からの買い付けを受けるようにしないといけないとのことでした。「そもそも、1社からしか買い付けが出なかったり、誰も買ってくれなかったとしたらどうなるんですか?」「1社しかいなかったのなら、それが結論なので、そこに売却することになると思います。もし、1社も手を上げるところがなかったら、売れないという事なので、別の方法で破産の費用調達を考えるしかないかな。」「別の方法とは?」「何か売れるものを他に探すということです。テレビとかエステの機器とか、そんなのがいくらになるかは分からないですが。」「それも大した金額にならなかったら破産費用はどうなりますか?」「コツコツと費用を積み立てるしかないですね。」「でも、どんどん債権者が押し寄せてくるから、商売なんて続けられないですよね?」「うーん。押し寄せてまでは来ないと思うけど、いずれにせよ、これ以上の赤字垂れ流しはできないから、エステとカフェは閉じるしかないと思うけど。それで、大家の協力がいることだけど、なるべく造作譲渡をすることができるように時間を頂けないかとお願いはしてみた方がいいですよね。」「すぐに破産というわけにはいかないですよね?」「うん。そうだけど、まずは債務整理の通知を弁護士名義で出せば、一旦は、その窓口が弁護士になって、あなたには直接に連絡や督促がいかなくなるから、そのうえで、いろいろと臨機応変に考えるしかないのかなあと。」「えっ!じゃあ、先生、受けてくれるんですか?」と私は驚いて聞いてみると、「まあ、しょうがないからね。ただ、実費等で最初に10万ぐらいはなんとか用意できませんか?」と言われて、それぐらいで債権者からの連絡が直接来なくなるのであれば、と、意気揚々と弟に10万円を借りて、先生にお支払いしました。ただし、会社の破産の費用を支払うのは分割払いにしてもらっても、かなり先が長い話にはなってしまう感じでした。焼肉居酒屋も売り上げと経費がトントンなだけで、私の給与が取れる状況ではないので、私は私で、別途、仕事をしなければなりませんでした。ですが、破産すらもできるかどうか分からない状況で、どこかに就職してなんてやっていられる心境ではなかったので、土木作業員、深夜代行、水商売等々で掛け持ちして日銭を稼いでいきました。これが社長と呼ばれた男の現実です。https://債務整理新潟.com/

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小澤 和彦 弁護士からのコメント

そこから、本来は、毎月、破産費用を積み立てつつ、もし、店舗売却等でまとまったお金が入ったら、それで破産しよう、という事になっていたのですが、店舗売却は店舗単体ではトントンだと聞いていたのですが、全然、そんなことはありませんでした。「この時期は売り上げはそんなに行かないんですよ。」と、そこの店長から言われたので、その後の推移を見ていても、売り上げが伸びる気配がなく、スタッフを削ることを提案すると、「それでは店が回らない」と言うし、単価を上げたらというと、「それだと客が来なくなる」と言うし、こういうやりとりをしているうちに、ダメになったのは、この「店長」のせいだ、と分かりました。もちろん、直観ですが。そこで、「店長に辞めてもらって、合わせて、スタッフのリストラをするしかない。」「手が足りない等の部分は何か合理化の工夫をしないといけない。」と依頼者の方には言ったのですが、「あいつで店は持っているようなところがあるんで。」「今まで残業代も払わずに無理してもらったんで。」と辞めさせたくなさそうでした。そこで、「せめて、トントンにしないと店は売れないよ。」「売れないなら、もう閉じるしかないと思うんだけど。」と言うと、「店長にその辺を直接、先生から説明してもらえませんか?」と言うので、仕方がないから話をすることにしました。「弁護士さんさあ。あんた、あの社長の言っていることを分かってかばっているの?」のっけから喧嘩腰です。「かばっている?なんのこと?」「あいつ(社長)が店の利益を変なカフェにぶち込んだせいで、こういうことになっているのをあんた知ってんの?」とおっしゃるので、「そういうことで社長からは話を聞いていたんですが、この店舗自体が赤字です。売り上げがこれ以上、伸びないんだとすれば、月の固定費・人件費と各種支払いでマイナスです。どこかに振り分ける利益もない。」と説明して数字を見せました。「だから何?だから俺らに辞めろって言ってんの?」「首にするっていうんなら退職金は払ってもらえんの?」と言うので、「退職金なんて、そんな状況じゃないのは、これを見れば分かりますでしょ?」と話すと、突然、「おい、ちょっといいか?今、弁護士が来ていて、俺らを首にするんだって!」とスタッフに声をかけました。睨みながら出てくる男性スタッフもいましたが、あとの人たちは遠巻きに見ているだけです。そこで、「皆さんが全員で辞めてしまうと、店がその時点でストップします。ですので、店を回せる必要最小限度の数の方だけ残ってくれるのであれば、まだ店が続く可能性はあります。ただ、今の人数のままでは店が赤字です。」そうすると若い女性のスタッフが、「でも、社長が給与をたくさんとっているんですよね?」と穏やかな感じではありますがそのように聞いてきました。「社長は給与は一切とれておりません。」「資料にも社長の給与無しで赤字になるのが書いてありますよ。」というと、店長が「もう、こんなやつの相手してらんねえから、もう、明日から休もうぜ。」と言って、本当に店長は来なくなりました。しかし、結局、半分位が残ってくれて、ようやく黒字化して売却完了。無事、破産もすることができました。社長のバイト掛け持ち生活もようやくピリオドを打つことができたのです。もう、商売はしないそうです。