この事例の依頼主
男性
相談前の状況
相談者様と相手方との間では不動産の売却に関する和解が成立しており、その中で当該不動産に関する費用は折半という条項がありました。相談者様は売却までに発生する諸費用を負担しており、売却成立後に折半を求めましたが、いつまでの費用が対象なのかということを相手方が争い、負担を拒否されました。ご事情の経緯からすると相手方の言い分は妥当でないと考えられたことから、相手方との交渉及び訴訟について引き受ける運びとなりました。
解決への流れ
当初は交渉により支払を求めたものの、納得のいくような返答ではなく、訴訟を提起して裁判所の判断を仰ぐことと致しました。訴訟では、条項の文言、相手方の言い分では合理的な結論が導かれないこと、相手方の言い分と従前の行動が一貫していないこと等を詳細に主張し、裁判所からは理解をいただけている様子でしたが、相手方は低い額での和解に固執していたため、和解ではなく判決を出してもらうことと致しました。判決では当方の主張が全面的に認められ、その後に相手方から全額の支払いがあり解決となりました。
金銭を支払う義務があるかどうかが争われる要因は様々であり、今回のように和解した際の条項の意味が争われて新たな紛争となることもあります。このような場合、全く同じ条項や経緯の下で出された過去の裁判例というものがあることは通常なく、文言自体のほか、合意に至った経緯、結論の妥当性といった観点から個別の検討を行い、具体的な主張をしていくことが肝要です。今回のケースではこのような視点での主張を詳細に行ったことが裁判所の理解を得られた要因であったと考えています。