この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
ビル躯体の解体作業中の労災事故。被害者は、下請会社の従業員として、ワイヤーソー(ダイヤモンドワイヤーを高速回転させて切断する機械)を用いてコンクリート壁の切断作業を行っていたところ、ワイヤーソーのワイヤー接合部分が抜けて飛び散ったため、ワイヤーのダイヤモンドビーズが被害者の胸付近に刺さった。直後に救急搬送されたが、胸部付近の動脈切断による出血性ショックにより死亡した。被害者は、ワイヤーソーの設置場所と切断対象物であるコンクリート壁の直線上に立っていたが、防護柵などは設置されていなかった。
解決への流れ
損害賠償の交渉は、元請会社の担当者を窓口として実施。相手方は、当初、被害者の過失割合を4割と主張し、約2700万円の控除を主張した。しかしながら、4割もの過失相殺は不当であるとして交渉したところ、最終的に700万円を増額することによって示談が成立した。
労働安全衛生法上、防護柵の設置義務があるにもかかわらず、防護柵を設置せず危険な状態で作業をさせていたとして企業に対し安全配慮義務違反がある一方で、そのような状況で作業していたことについて過失相殺の主張がなされることがよくあります。本件では、被害者は、比較的ベテラン作業員であったことから、会社が4割の過失相殺を主張してきたものです。会社が交渉に応じる姿勢を見せないことから、交渉の長期化ないしは訴訟の可能性もありましたが、ご遺族の意向により上記のような条件で示談に応じることとなりました。